「真咲、どうかした?
箸持ったままで、何ボーっとしてんの?」
箸を持ったままで見ていると、泉に尋ねられた。
「あっ、何でもない!
ホント美味しいよね、ココのお料理!」
慌てて平静を装って、再び食事に手をつける。
だけれど何を食べても、味を感じられなくて・・・
笑顔を作って、必死に口に運んでいただけ。
やっぱり、彼女いるに決まってるよね。
何を期待してたのかな、バカみたい・・・
諦めの言葉を、自身に言い聞かせると。
その度に虚しさばかり、心を埋め尽くしていた――
それから、3人でマンションへ帰宅した。
泉は珍しく、もう一泊すると言い始めて。
孤独感で一杯だったから、凄く嬉しかった。
「「美味しいーー!」」
夕食は中華料理を作ると、二人の食欲と笑顔に癒されて。
ザワついていた心が、幾分落ち着いたみたい。
1人じゃなくて良かったなって、改めて思えたの。

