「俺、母子家庭なんだ。母さんは体弱いから、俺が妹たちの面倒見てるんだよ。見ての通り、家は貧乏だし。昔からレンの親御さんたちがよくしてくれててさ。」 初めて知る事実に驚きながら、私は静かにハルの話に耳を傾けた。 彼は視線を窓の外にやりながら、話を続けた。 「あいつ、元気?最近全然連絡取ってないんだ」 そう言った彼の横顔は、涙が出るほど寂しげだった。 咲と別れ、私からもレンからも連絡を絶たれてしまった、ハル。 レンがハルと連絡を取らない理由は分からない。 だけど……