ネオンが煌びやかな夜の街。 真っ暗な闇が街中を包んでいるはずなのに、そこは闇を弾き返していた。 ここには、たくさんの暗いものが蔓延っているはずなのに。 金色に染めた髪をなびかせ、客を呼び寄せるホスト。 繁華街の一角に停まったタクシーから降り、ふらふらと歩く、酔っ払いの男。 たくさんの人々が、夜のネオン街へと消えてゆく。 今まで足を踏み入れたことのない世界に、私は極度の不安に駆られた。 だけれど、この街の中に咲がいるとしたら…。 私は、危険な虚飾の街へと足を踏み入れた。