校門の前で、隠れるように彼女を待った。
幸いにも、ハルと出くわすことはなかった。
でも、何分待っても彼女がやって来る気配はなかった。
諦めて帰ろうとしたとき、前を歩く女子生徒たちの会話が耳に入った。
「ねぇ、知ってる? 2組の咲って子、最近学校来てないらしいんだけど、不良と絡んでるんだって!」
「あ、それ知ってる!隣町に、ネオン街あるじゃん?そこの不良の溜まり場にいるらしいよ!」
学校が大好きだった、咲。
そんな咲をこんな風にしてしまったのは、きっと私だ。
私は自分を責め立ながら、すぐに隣町へ向かった。

