レストランを出た後は、咲の提案した通り、別行動となった。
私は別れ際に、報告待ってるね、と咲に告げた。
私がそう言うと、咲は嬉しそうに手を振った。
そして、咲はハルと腕を組み、人ごみの中へと消えていった。
私は、小さくなるふたりの背中を見ながら、小さくため息をついた。
「ほらほらぁー!桃!乗り物制覇しようぜ!」
そう言って、レンは突然私の手を握った。
そのまま、私の手は離されることなく、レンに連れ回された。
ジェットコースターは、全制覇。
フリーフォールや、回転ブランコ。
メリーゴーランドやコーヒーカップにも乗った。
何回も気分が悪くなる私を見て、やっぱり笑うレン。
そんなレンを見ているうちに、自分も笑えていることに気が付いた。
レンといると楽しい。
レンといると笑顔になる。
でも、やっぱり…。

