「お前、何カッコつけてんだよ。これぐらい俺が払うから。今月も厳しいんだろ?」 レンが肘でハルを軽くどついた。 その顔は何故かとても真剣だ。 「うん、まぁな。じゃあ、ごめん。頼むわ」 そう言って、ハルは苦笑いを浮かべた。 何が厳しいのだろう。 ハルの小遣いのことだろうか。 そんなことまで理解しているなんて、さすが幼馴染だ。 なんて、その時の私は、これくらいにしか考えていなかった。