「ねぇ、咲ぃ~…。ほんとにこれに乗るの?」 私は、咲の服の裾を掴んで、蚊の鳴くような声で言った。 さっきから同じことばかり言う私に、みんなが大爆笑する。 日本一、長くて速いと言われるジェットコースター。 あちこちから聞こえる絶叫の声が、怖さを倍増させる。 乗ろう、と言い出したのは、やっぱり咲だった。