私たちの目の前まで来ると、ハルは第一声に、待たせてごめんな、と言った。 そして、私を見た。 ハルの茶色い瞳がぐんと近く見えて、目が離せなかった。 「はじめまして。俺、ハルです。よろしくな。」 私は、桃です、と小さく呟いた。 すると、差し出された右手。 驚きながらも、私は軽く自分の右手を添えた。 その大きな手に、力強く握られる私の手。 どうしよう。 私、ドキドキしている。