デート場所は、地元の遊園地だった。

エントランスで、顔も知らないふたりを待つ。


4月と言っても、まだ肌寒い。

可愛い風船を手に持った小さな女の子が、お父さんとお母さんの元へ駆けていく姿が目に入った。


ドキドキしながら彼を待つ咲とは裏腹に、私は自分の気持ちを止めるのに必死だった。


もしかしたら、顔がタイプじゃないかもしれない。

きっと、会ったらハルへの気持ちなんか、一睡の夢になる。


そんなことばかり考えていた。