その後、レンのお母さんとお父さんは看護士さんに呼ばれ、別室へ入って行った。 長椅子には、私と咲だけが残された。 「……ねぇ、桃。どうして、ハルはそんなに桃に会いたかったのかな?」 「え?」 突然の咲の言葉に、驚く。 その質問に答えられないで困っていると、咲は話を続けた。 「ただ単に、桃に会いたかったってだけじゃないと思うんだよね。ハル、何か言ってなかった?」 彼女のその言葉に、必死で記憶を辿ってみる。 そういえば……