騒がしい救急車の中で、私はひたすらハルの名前を呼んだ。 酸素マスクをした、ハル。 冷たくなったハルの手は、私の体温も届かない。 代われるものなら、代わってあげたい。 私、やっと分かったんだよ。 やっと自分の気持ちに素直になれたんだよ。 こんなの嫌。 嫌だよ。 神様。 どうか…… ハルを助けて。