「……もう一度言う。」 緩んでいたハルの腕に、再び力がこもった。 それを拒む力は、もう私にはなかった。 「好きだ。」 私はその言葉を静かに受け止めた。 そして、返事をするでもなく、そのままハルの腕の中で眠ってしまった。 『好き』という言葉の重みを、この時初めて知った気がした。