「メールの相手が咲じゃないってこと、初めから気付いてた。」

「え?」


私を胸に抱いたまま、ハルは話し始めた。


「咲じゃない、その子のことがずっと気になってたんだ。咲を誘えば、その子を連れてくると思った。それで、遊園地で桃に会ったとき、この子だって分かった。」


ハルが少しずつ、自分の想いを露にしていく。

私はハルから体を離し、思わず声を荒げた。


「じゃあ…どうして?どうして咲の告白を受け入れたの!?ちゃんと断っていたら、ここまで咲が傷つくことなかったのに…!」

「レンが言ったんだ、俺に。ずっと桃が好きだったって。」


私の言葉を遮るように、ハルが言った。