それがハルの温もりだと気付いたのは、しばらく時間が経ってからだった。 レンの顔ばかり浮かぶのに、体が硬直して動かない。 ふりほどくことができない。 ハルが私を抱きしめる力は、どんどん強くなる。 痛々しいほどに、ハルの気持ちが伝わってくる。 苦しい。苦しいよ。 「や…っ!ハル、だめ……」 ハルの呼吸が耳のすぐそばで聞こえる。 それに、こんなにもドキドキしてしまうなんて。