「さぁ」

達人が珍しく構える。

「私は君を殺す気で反撃します…見事私を無力化してみなさい」

「……っ…」

体が硬直する。

そんなの無理に決まっている。

触れる事すらできないというのに、こちらから攻撃など。

仕掛けた瞬間にこの間と同じように射竦められ、その後達人の殺す気の反撃を受けるに決まっている。

動けないまま、達人の本気の反撃を食らうのだ。

確実に殺されてしまう。

俺は全身にびっしょりと汗をかいたまま、構えを崩さない。

崩せない。

前に出ればその瞬間に殺られる。

動けない。

前に出れない。

どうすればいい…どうすれば…!?

「来ないのですか…?」

凶暴な笑みを浮かべ、達人が呟いた。