軽音部に部員が増えはじめた。


はじめからバンドを組んで入部してくる者達もいれば、

各々で入部して、経験がアルかナイかを掲示板に記載して、メンバーを集う者もいる。


なかなかメンツが揃わなかったり、
今、練習する場所がないことを聞いては、辞めていく者もいて、

碧人や徳幸めあてで来た女の子達は、
あまり接点がないことを知ると、二度と姿を現さなくなった。



そんな時、三年バンドから、

“他のバンドと一緒に、ある場所を借りてステージに立ってみないか!?”

と誘われた。


その話には皆、心踊らされ、
その話し合いは、
参加することを前提で進められていった。


問題点はいくつかあった。

それは今、波多野が部活で忙しいということだ。


「外での活動なら、波多野が無理でも、茜を立たせることができるよなぁ。」

と、碧人は言う。


確かに間違ってはいない。


以前ほど、茜に反感を持たなくなっていた徳幸は、

そのステージに魅力を感じ、

“それもアリかなぁ”

と、色んな角度から考えられることができた。



アルコールが出るようなライブハウスではなく、
ステージがあって、客席がある、公共の場と言った所での、昼間だとのこと。