と、その時

「それホント?」

「え。」


茜の態度が、少し変わって感じた。


「何があっても、バンドが優先ってことだよね?男なら自分が言ったことに責任もつよね!?」

「え、あ、あう。」

「なら合格!兄貴はトクのこと認めてるみたいだけど、あたしだって一員なワケだし…ちょっとテストをしてみました!」

「はあ?(なんなんだマジで!)」

「さっきの話はウソだから!ふふっ、カオリンがあたしに、あんな話するワケないし!」

「!」

「でも、そーなった時のことも考えて、免疫付けといたほうが良いかもね!」

「ふうーっ。あのさぁ!」

「あ、あたし行くところがあるから、安心して我が家へどうぞ!じゃあ!」


茜は、とっとと前を歩いて行った。


「なんだよホント。」


まるで、キツネに摘まれたような、茜とのやりとりの後、
ムカッときたし、
やっぱり苦手には違いないが、

後でドンと落とされるよりも、
始めに下げられていて、後で上げられた、今、この瞬間、
不思議と悪い気はしていなかった。


「なんだコレ?」