「攻めてんのかな?これは、光一に続いての熱愛宣言はトクか?」

コービーが言うと。

「…人のことより自分の心配したら!」

と、冷たい言葉を残して、茜は出ていった。


「なんだあれ?碧人、マジでトク狙いだったりして?茜ちゃん。」

「ふっ。ウケるだろ、ソレ。」


光一はホッとした。



そして教室では、
緊張の面持ちで音楽を聴きながら、誰かが忘れていった雑誌をパラパラと捲るも、頭に入っていないと言った感じの、落ち着けない徳幸がいた。


はじめ、話し掛けてきたクラスメイトも、序々に下校していき、今はもう独りきり…


(何て言おう。どう言おう。)


頭の中に浮かぶ言葉は、支離滅裂で、そしてすぐに消えてしまう。


(波多野の話って何だろう?そっちを先に聞くべきか?…いや、こーゆーことは、男の方から、堂々と!)


そんなとき、携帯にメールが入った。


『今、終わったよ。』

『了解!校門の前で待ってる。』


とうとう、その時がやってきた。


先に徳幸が着き、しばらくして波多野はやって来た。


「おう。お疲れ!」

「ごめんね、遅くなって!」


(いざ!出陣だ!)