僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2

単純な徳幸は考えていた。

〜律子が俺の態度に気付き、興味本意で尋ねただけなのか、

それとも、

波多野が、俺のことを気に掛けてくれていて、
律子に頼んで、気持ちを確認しに来たのか…?

そうなら嬉しいことだけど、
波多野が戻った途端、
固く口を閉じた律子を見るかぎり、
あとの方ではナイ確立が高いか〜


でも、律子が言った言葉を、強く信じたくている自分がいた。


結局、徳幸もまわりの連中と同じで、色気付いてきていたのだった。


ただ、相手が波多野だったため、
碧人や神戸の手前、
浮かれて見えないように気を付けていた。



水族館を出て、海岸を歩いていると、女子は貝殻を拾いはじめた。


その様子を眺めながら、少し離れて歩く男二人。

まるで、ドラマのワンシーンのようだ。


「トク、今日はありがとうな。」

「え、あー、俺も楽しかった。なんか、また違う感じだったなぁ、この辺。」

「…トクってさあ、」

「んあ。」

「…いいや、なんでもない!」

「なんだよ?」

「…今日は、お婆ちゃん家行かなくていいの?」

「今日はいいよ!急だったし、この前来たから。」

「もしかして婆ちゃんっ子?」

「こっちの友達と会ったから、ついでに寄ったんだよ。」

「おまえも忙しいんだな。」