僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2

江ノ島から、無事、戻って来れた四人は、ファミレスに入った。


「しかし疲れたね!」

「人混みだったから一段とだよ。」

「狭いからな〜。」

「そっか。」


一言ずつ文句があがった。


「あー、生しらす食べたかったけど、しょうがないな。」

そう光一が言い、

「それは、島に渡らなくても食えるよ。」

徳幸が冷たくあしらう。

「じゃあ、今度二人で食べに行ってくださいな!」

波多野にも言われて、

「うるせっ。」

落ち込む光一。


メニューを決めたあと、

「で、次はどーする?」

残りの時間の使い道を決める。


「あと〜この辺なら…水族館が近いかなぁ。」

「いいねぇ!デートって感じだよ!うん!」

「なーんか、香織が一番楽しんでる感じだけど。」

「そう?!」


徳幸にも、そう見えていた。


ただでさえ、
今日という日を、緊張しながらも楽しみにしていた徳幸にとって、
これほど嬉しいことはなかった。


光一達を盛り上げているつもりなのだろうけど、
あまりにも自然に振る舞う波多野のおかげで、
重大な役目を受け持つことになった徳幸が、戸惑う様子も目立たずにすみ、
いつしか緊張も解け、
自分も一緒に楽しんでいた。