僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2

こんな感じで、行き道から、
珍しく自分から色々と語る徳幸に、
三人の代表として、波多野が問いかける。


「そこはさ、トクちゃんの思い出の場所なの?」

「そーだなぁ。友達と階段登り競争で勝負した場所だな。」

「そーだ!俺、親父と歩いて登って、すげー疲れたの思い出した!」

「そんな場所なの?」

「あれ?今日も登るよ!」

「え…」

「うそだよ〜!体力保たねーもん。エスカーで行こ!」

「エスカー?」

「エスカレーターだよ。有料なんだけど、イイ?」

「それはもう、喜んで!」



江ノ島への橋を渡ったところで、律子が言った。


「木村くんは、島民なの?」

「違うよ!」


これには皆で笑った。


「え、なんで笑うの?」

「だって、島民って!」

「もちろん住民は居るけど、俺は違うから覚えといてよぉ!」

「あはは、なんか楽しいね!」


走りだしは、なかなか好調だった。