その帰り道、
これからの活動についての話題になった。


「吹奏楽部が、1・2年メインの活動になっていったら、波多野、キツくねー?」

「コンクールでのトップ10入りは伝統みたいだからなぁ」

「一度、外せば気も楽になんじゃね?」

「そんなの、部長が聞いたらどーなると思ってんの!」

「軽音部は廃部だな。」

「そりゃマズいよ!」

「光一はどーなんの?」

「ジャズの方はコンクールかかってないから。お気楽で…」

「そっちも本格的にすることになったら、あたし掛持ちはムリだなぁ。だって、そしたら三つだよぉ。ムリムリ!」

「俺だって、コンクールなんてムリだよ!」

「光一、おまえヤバいんじゃね?そろそろ辞めとけば?」

「そーだな!バンドを辞めろとか言われる前に」

「マズイよ!そりゃマズい!波多野はともかく、光一に抜けられたら、俺ら動けなくなるだろ!」


神戸の言葉に、徳幸は、つい反応してしまった。

「え、なにソレ?」

「だってそーだろ、ベースがいなかったら」

「違うよ。波多野はともかくって、キーボードの代わりなら誰かいるってこと?」

「そーじゃなくて、曲は選べるじゃん。キーボードのいらない曲は、幾らでもあるんだし!」

「ま、最悪、そーするしかなくなるよね!」

「…」

波多野が割って入り、徳幸は黙った。


「…トクちゃん、あたしのこと心配してくれてるの?」