文化祭の詳細が決定し、

一年生バンドの演奏は二曲と知らされた。


どの曲にするか、なかなか決められないうち
文化祭の日時は迫ってくる。


そんな時、碧人が、ある提案をした。


そのうちの一曲は、縮めた二曲をくっつけて、メドレーにしてしまおうと言うのだ。


そうすれば三曲は演奏できることになる。


さっそく候補にあげた曲の二曲をアレンジして
なんとか上手く繋げ、練習を開始しなければ間に合わない。


その頃、
ブラスバンドとジャズとで、
常に、放課後は音楽室通いの波多野を気遣い

勝手に。男達だけでアレンジを考えていた。


「今のどう?なんか、無理矢理っぽくね?」


あーでもない、こーでもないと意見を出してやってみるも、
波多野のキーボードは、どう入れば良いものか?

その時、

「茜に聴いてもらうか!」

と、碧人は携帯で、
自分の部屋に居た茜を呼び出した。


面倒臭そうに現れた茜は、
椅子に座り、譜面を見て一言。


「たいしてムズくないじゃん。カオリンならイケるっしょ!」


そう言って、
はじめての合わせを、一発で決めてみせた。


「バッチリ!」