「いーじゃん!それとも何?俺らと一緒のところは見られたくナイとでも?!」

「だって、女も一緒なんだろ?」

「…なにソレ?見られちゃマズイのか?」

「そーだ!昔の女だぁ!」

「ヒュー!ますます行きたくなった!コービーよく勝った!」

「ちげーよ!チャラチャラして見られたくないだけだよ!」

「なにおまえ、喧嘩売ってんの?」

「俺、爽やかが売りだったから!」

「黙って聞いてりゃあ、やっちまおうぜ!」


たちまちプロレスが始まった。


「あぶないよぉ!楽器!」


このバンドのマネージャー的存在の波多野は、
時折、姉的な、また母的な立場にもなる。


怒られた子供達がシュンとしたように、静まり返った時

「考えてみれば、昔の女って言っても、小学生の頃だぜ。」

光一がポロリと言った。


「ぶぁははは!」


コービーが笑いだすと、

「でも、その子も今は高校生だろ。」

透かさず、最もなことを言う碧人。


「そっかー。」

「どんなんなったのかな?なぁ、トク?!」

「何なのその言い方!」

「でもさ、それってお互い様だよなぁ。向こうだって今のトクを見るの久々なわけだろ!」

「ま、今のトクならガッカリされるこたぁナイだろ!」