「それ、マジで言ってる?」

「うん。マジマジ。」

「…」

「あ、そうだ!海に行ったんだってね!」

「んあ。」

「これでもう、うちにも来れるね!」

「ああ。」

「良かった〜!めっちゃ練習して、文化祭は完璧にしないとね!あたし、友達も連れてくからさ!」

「…かわいい子?」

「普通かなぁ。どうせカオリンしか見てないくせにぃ!」

「そんなことねーよ!」

「強がっちゃって〜。」

「…強がってんのは、おまえじゃね?」

「……しょうがないじゃん。」

「!」

「だって、居ないんだもん。…この世に…」

「なぁ、代わりでもイイじゃん…俺!代わりでもいいよ!」


驚いた!


つい、口から出た言葉だったが、

心にブレは無かった。


「…ありがとうトク。でも…ダメみたい。」

「あ。」

「文化祭!楽しみにしてるね!だから、防音室には行かないでおくから!」



なのに、徳幸は失恋した。


これで、通算何度目になるのか?


こうして、
徳幸の高2の夏は幕を閉じた。