『海イクぞ〜!』


神戸からメールが入った。


指示された日時と場所に、重い足を運ぶと、
やはり、碧人の姿もあった。


(そんなこったろーと思った。)


徳幸は分かっていたが、
いつまでも、このままではマズイと思っていたし、
小出家で、茜と会ってしまうよりは良いと考えて、
今日、ここまで来たのだった。


「おっす、いじけ虫くん。」


想像どおり、先に歩み寄って来た碧人に、

「そっちこそイジケてんじゃねーの?」

いつもの様に返す徳幸。


「は?なんのことかな?」

「まあまあ。早く行こーぜ。」


もうコレで、わだかまりは解けたのだった。


それからは、
曲の話やライブのこと、
そして、
まわりにいる、
水着ギャルやカップルについて、
あーだこーだと、勝手に評価してるくせして、
そんな自分達は、
小学生くらいの子供のように、はしゃぎ騒いでいた。


神戸の目論みは、大成功と言っても良いだろう。


そうなると、
さっそく、次の練習の日取りが決まった。


本当は徳幸も、練習がしたくてたまらなかったし。

それに、
やっぱり、このメンバーで居ることが、
自分も、どれだけ楽しいかが、よく分かったのだ。