「じゃあ、ここで。」


あっけない、茜のその言葉は、
なぜが徳幸に、


「俺も一緒に帰るよ!」

と、言わせていた。


「今ならまだ間に合うんじゃない?友達と」

「いいんだ別に。花火もなにも、ただバカ騒ぎしてるだけだから。」

「それが楽しいんじゃないの?」

「そんなの、いつでも騒げるから。」

「…そっ?」

「うん。」

「じゃあ、もうちょっと一緒に居てあげる!」

「はぁ?そっちが不安なくせに、よく言うよ!ったく!」

「まさかぁ!なに言っちゃってんの!?」

「はいはい!」


いつもの調子に戻って、
ふたりは電車に揺られながら、
横浜に向かった。


「もう、終わったかな?」

「そーだなぁ。」

「もうちょっと見てても、大丈夫だったかな?」


茜は時計を見ながら言った。


「いや、もう少し居たら、道が大変なことになってたって!」

「そーだね。ここまで来れば、もう大丈夫。ホントに今日はありがと!」

「いいよ。おまえんトコ、夜、危なそーだもん。」

「えー、大丈夫だよ!慣れてるもん!トクの方が…あはは、迷っちゃうから、危ないんじゃん?」

「あ〜。そんなことあったなぁ。」

「あたしがまた送くることになる。」