僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2

まずは、その曲の自分のパートを、各々で練習しなければならない。


まだ、そんな段階だが、
新たな挑戦と成功に向けて、
なんとか一歩を踏み出せたところだった。



「おはよ。」


教室の前で波多野に声をかけられ、

「うす。」

徳幸は、立ち止まる。


「どう?練習は捗ってる?」

「まあまあ。つーかさ、自分で言いだした曲だから、しっかりやらねーとなんだけど、意外と繊細で難しいんだよ!ヤバい!」

「あの人達の曲はメッセージ性が強いからね。」

「そーなんだよ!勢いじゃごまかせないから…頼れるのは碧人の声と人気だな。」

「自分だって!」

「…歌詞は作者の気持ちだけどさ、それを聴いて胸に響かせて、どう解釈するのかは、俺たちの勝手じゃん?」

「まあね。」

「その歌詞に共感したヤツなら、その曲をどう唄っても、原曲を知らない人の心にも届くと思うんだよね。」

「何の曲にするの?」

「まだ、それは内緒です!」

「ふーん。じゃあ、楽しみにしとくね!」

「じゃあ、猛練習しとくね!…コレが結構大変。」

「あはは。」

「なぁ波多野。」

「ん?」

「大丈夫か?」

「!あは、何がぁ?」

「いつでも…顔出せよな。」

「このまえも言ってたよね?そんなこと。」