約束の日、

徳幸は、未知子達が卒業した中学の前に立っていた。


部活に向かう在校生が、
ジロジロと徳幸を見ては、門をくぐっていく。


そんなとき、未知子はやってきた。


「久しぶり!」


未知子はニコリと笑った。


「ども。」

「背、伸びたね。」

「何年前の話ですか。」

「それもそーだね。」

「なんでここに?」


徳幸は校舎を眺めながら言った。


「…」


未知子も無言で、懐かしむように見渡していた。


「あのまま居たら、木村くんもここの中学だった?」

「そのはずでした。」

「そっか。じゃあ、入ってみる?」

「いいっすよ。」

「…なんか、卒業以来初めてだから…緊張する。」

「そーなんですか?」

「うん。卒業したばかりの時は、いつでも来れるって思ってたから…そしたら…」

「…思い出が詰まり過ぎですか?」

「そーだね。直ぐには、ちょっと辛すぎた。」

「大丈夫ですか?」

「…わからない。」

「!」

「でも、木村くんが居てくれるなら大丈夫そうな気がして。」

「…そうですね。ここには縁がないですからね、俺。」