徳幸は、はやる気持ちを押さえ、

まるで、タイムカプセルでも開ける様に
あの頃の記憶を引っ張り出しながら、

名前など見ずに、

いつも瞳で追っていた、
あの笑顔だけを頼りに、

ゆっくりと、楽しみながら、
一つずつ、写真を端から辿っていった。


そして視点を定め、

はっきりと、目に飛び込できた、その枠の、
写真の中のみっこちゃんは…

軽くハニカんでいた。


両隣りの女子が、とびきりの笑顔で未知子を挟んでいるため、
なんだが少し、
大人っぽくも見える。


「こん時は、キムまだこっちに居ただろ?コレ、夏前に撮ってるはずだぜ。」

「…こんなだったっけ?」

「うわっ!ひで〜!そりゃナイだろ〜」

「違うよ!なんて言うか…もっと、ハツラツとしてた様な気がしたけどなぁ。」

「そうか?俺の記憶はこんな感じだなぁ。あ、でも、中学のイメージの方が強いからかも?」

「ちょっ!中学の見せて!」


徳幸は、梅原の持っているアルバムを奪い取った。


「そこの、」

「あー!イイよ!自分で見付ける!」


なんとなくムキになり、
指を差して探しはじめると、

あの面影が…

「…いた。」


健康的に焼けた肌に、
パッチリと見開いた目が、キラキラと輝いていた。