神戸と光一と、三人での帰り道、

「じゃあなトク。」

神戸が言うと、

「あ、コービー先帰ってて!ちょっと俺、買うもんあんだわ。」

「んあ。じゃね。」


と、徳幸は光一と二人きりになってしまった。


結局こうなるのなら、
行きの時間稼ぎは、なんだったんだという話に…


(あ、でも、人の役には立てたかぁ。)


でも、茜との件で、碧人ともぎこちなくなってしまった今、

せめてどちらかとは、ハッキリ、スッキリした方が
今後のことを思うと、絶対に良いワケで…


(とにかく、自然に振る舞っとくかぁ。)

と、言うことは…

いつも通り、徳幸からは
無駄に話題をもちかけないと言うことだった。


すると、

「なんかあった?」


ざっくりとした質問が光一から投げられた。


「なんかって?」

徳幸も、様子を探ってみる。


「その怪我。茜が絡んでんだろ?」

「え?なんで?」

「だってヘンだよ!トクのこと好きって言うわりに、その顔を心配してなかった。」

「…」

「女陣は気付いてたなぁ、きっと。」

「え!」

「…多分だけど、律子は、トクと波多野のことをくっつけようとしてる。」