【短】砂の城




『あたし、明日学校行くね。明後日から夏休みだけど……』



お母さんが目の前で驚きながらも、涙を流して喜んでいる



あたしまで嬉しくなった


そして空を仰ぐ


明日のことを思い、夏の夜の涼しさで顔のほてりを冷ます



そして、手紙をにぎりしめて


あたしは、澪斗の作った砂の城を見つめた



【完】