【短】砂の城




ねえ、澪斗


あたし、また信じていいかな。



あなたのこと。雪乃のこと。



『逢里好!良かった……突然いなくなったから心配したわよ』



お母さんが走りよってきた


『何もなかった?大丈夫?』


まるで壊れ物を扱うかのように、聞いてきてくれた。


『大丈夫だよ。ねえ、お母さん?』


『何?』