気持ちの良い朝の日差しが、カーテンの隙間から射し込んでいる。
スッキリした体に心地良いはずの寝覚めは、何故だか悪い。
体調を崩して眠るといつも寝覚めにリンの笑顔が飛び込んできたのに、今日はそれがない。
当たり前だ……。
僕が一人にしてって言ったんだから……。
何となく起きる気がしなくて寝返りをうつ。
するとそこには、白くて細い腕とミルクティ色の頭が乗っかっていた。
「ホント、かなわないよ……リンには」
慌てて身を起こしてみれば、床に座ってベッドにもたれて眠るリンの姿があった。
どうやらリンは、看病しながら眠ってしまったみたいだ。
リンのことだ。
きっと僕が目覚めるまで待ってくれていたんだね。
あぁ。
……なんて可愛い人なんだろ。
リンが愛しい。
このまんまベッドに引き寄せて、僕の中に閉じ込めてしまいたい。
「強くなりたい……リンが心配しなくていいように」
こう呟いて、リンの額に軽く唇を当てた。
「そしたらリンに迷惑かけないのに……」
そっとリンに上着を羽織らせて、僕は部屋を出ていく。
閉じたリンの瞳から零れた雫に、僕は見て見ぬ振りするしか出来ないから。

