「……んっ」

「おはよう」

「ショウ……。また先に起きてる……」


こう言ってシュリが少しむくれてみせる。



結婚して二週間。




未だシュリが俺より後に寝て先に起きることはない。





「またショウの寝顔見れなかった……」



こう言って悔しがる姿が可愛い。



……ヤバい。



完全に色惚けだな、俺。




「なんでそんなにこだわるんだ?」


「だって……十年越しよ? 寝てる間にまたショウが隣からいなくなったら……嫌」



伏し目がちに呟き頬を少し赤らめる。



十年前といえば……。



「……覚えてたのか?」


「当たり前。あなたの傍にいるって約束したでしょ」





こう言って微笑むシュリの顔は十年前と全く変わっていなかった。




-終わり-