『natural source』(naturally番外編)


「……本当にあなたは変わり者だ」

「えっ?」

「なんでよりにもよって俺なんかを選んだりするんですか……」


俺は体にくっついた駄々っ子の髪をそっと撫でる。
ずっと近くて遠かった存在。
俺を必要として手を伸ばしてくれる、俺の唯一の希望の光。
彼女の傍に居る時だけはいつも、醜い自分の本業を忘れることが出来た。


「……わからないけど好きなの」

「……気の迷いです。やめるなら今のうちですよ?」


「無理。わからないけど、ずっとショウが好きだったんだもん……おかしい?」

「はい」


熱の籠もったシュリの告白を一蹴して、即答する俺にシュリはムッとしたように口を尖らせた。


「でも、好きなの」

「…………」

「わたしはショウが好き」


俺の顔を見上げて必死に想いを告げてくる。
その顔がやたらに愛しくて、俺は思わず自ら彼女を腕に閉じこめた。


「いつもの涼しげな澄まし顔はどうしたんですか……喜怒哀楽がそのまま出て、まるで子どものようですよ」

「ショウの前ではいつだって素直で居たわ」

「そうですね。貴女はいつでも余裕のある涼しげな表情で笑っていました。……本当はこんなに無邪気に悲しんだり喜んだりする、子どものような人なのに」

「……そんな顔してる?」


俺の言葉にシュリは怪訝そうに自分の顔を軽く撫でている。

自分でも無自覚らしい。
そんな姿も俺には愛らしくて堪らない。

……そんな顔、知ってるのは俺だけでいい。