「っ!!」
慌てて振り返った先にある卑しい笑顔の中年貴族。
見間違えるはずがない。
この顔をっ……。
「その格好は……薬師をされておられるのかな?」
怒りと憎しみで震える体を必死で抑えようと深呼吸する。
すっかり落ちぶれたと思っていたのに……。
返す言葉を探していたわたしを差し置いて、口を開いたのは意外な人だった。
「僕の恋人に何かご用で?」
「恋っ!?」
わたしを背中に隠すように前に立ちはだかったランシェ様が言い放った言葉に、思わず声を上げそうになる。
だって!!
恋人って何っ!?
「薬師と間違われていたようですが、彼女は代々我が家に仕える侍女の家の出身ですよ? お嬢様なんて呼ばれるような人物じゃありません」
わたしの口に手を添えたまま、ランシェ様は饒舌に嘘を重ねていく。
「おやぁ、じゃあ、人違いのようですな」
あまりに滑らかにランシェ様が語るから、相手の貴族も何の疑問も持たずに納得してる。
今日ばっかりはランシェ様に感謝だ……。
「それにしても、ランシェ様も隅には置けませんなぁ。侍女なんぞに熱をあげておるとは」
慌てて振り返った先にある卑しい笑顔の中年貴族。
見間違えるはずがない。
この顔をっ……。
「その格好は……薬師をされておられるのかな?」
怒りと憎しみで震える体を必死で抑えようと深呼吸する。
すっかり落ちぶれたと思っていたのに……。
返す言葉を探していたわたしを差し置いて、口を開いたのは意外な人だった。
「僕の恋人に何かご用で?」
「恋っ!?」
わたしを背中に隠すように前に立ちはだかったランシェ様が言い放った言葉に、思わず声を上げそうになる。
だって!!
恋人って何っ!?
「薬師と間違われていたようですが、彼女は代々我が家に仕える侍女の家の出身ですよ? お嬢様なんて呼ばれるような人物じゃありません」
わたしの口に手を添えたまま、ランシェ様は饒舌に嘘を重ねていく。
「おやぁ、じゃあ、人違いのようですな」
あまりに滑らかにランシェ様が語るから、相手の貴族も何の疑問も持たずに納得してる。
今日ばっかりはランシェ様に感謝だ……。
「それにしても、ランシェ様も隅には置けませんなぁ。侍女なんぞに熱をあげておるとは」

