階段を駆け下りていく。




校門を出た時、




「真美!?」




そんな私の耳に届いた、私を呼ぶ声。




その声は、すぐに亮爾だとわかった。




きっと心配で見に来てくれたんだ…




どこまでも優しい人。




けど、私は止まらず走る。




家とは反対方向。




目的地なんかない。




ただ、解放された、誰もいない、何もない場所に行きたかった。




けど…




「真美!!」




亮爾に捕まってしまった。