杉浦くんが今、私のことをどう想ってるかなんて分からない。 私のことなんか、もう嫌いかもしれない。 けど、伝えたかったんだ。 最後の一段を登って、呼吸を整える。 大丈夫、と自分に言い聞かせて。 落ち着いてきて、ドアに手をかけた時、 窓越しに、見えた姿に固まってしまった。 だってそこには… 苦しくて、苦しくて、 私は、逃げ出した。 私に見えた姿。 それは 杉浦くんの膝の上に、女の子が座っていて、 手を首にまわし、見つめている姿だった。