銀のしずくふるふる 金のしずくふるふる

とたん、わっと会場から声があがった。

もの凄い音量で耳をつんざく。

シールドが消えたことがそれでわかった。

鷲になった正婆は、後から後からわきあがってくる黒い塊を、大きな翼でたたき、たたき、体をナイフに化したかのように、ぐさっ、ぐさっと、切り込んでいく。

でも塊は分厚い。

正婆が何度、もっとも黒いところに切り込んでいっても、クッションにあたったように押し戻される。

大きな翼がバランスを崩してか弱くはためく。

俺は立ち上がった。

もう何も考えていなかった。

正婆のことも、イヨマンテのことも、親父のことも、母さんのことも、舞のことさえ。

投げ込むことだけを考えていた。

もっとも黒いところに、メコンノマコイをうまく投げ込むことしか頭になかった。

鷲が体勢を整えるためいったん上昇する。

それを追うように上にのびる塊の、右下に、いっそう黒く渦を巻いている一点が見え隠れしているのを、俺は見つけた。

体をそらして、標的を狙う。

上昇していた鷲が、渦巻く一点に、頭からつっこんでいく。

それを合図に、全身の力をふりしぼってメコンノマコイを投げ込んだ。

ありったけの祈りと願いをこめた、メコンノマコイを放ったんだ。