銀のしずくふるふる 金のしずくふるふる

俺は渾身の力でもってそう叫んでいた。

体が動かないことも、声がでないことも承知で、でも、力の限り叫んでいた。

「綺麗な槍、きらきらしてる」

桜井の声が遠くできこえる。

「会長見て、やっぱり邪はああいう綺麗な槍じゃないと払えないよねえ」

俺は祭壇の後ろから現れた二人の男のかかげる槍に目をやる。

ぼんやりとしている。

槍らしき長いものと、その先端で反射する光しかみえない。

駄目だ、叫べば叫ぶほど体が弱っていっているみたいだ。

「あれで刺せば、小熊も苦しむことなく神の国に帰れるね」

桜井の声はどんどん遠くなる。

意識だけはもたないと駄目だ。

俺は激しく頭をふる。

でもたぶん1センチも動いていないんだろう。

どうしよう、どうしよう。

このままあの日のように眠ってしまったら、目が覚めたときにはきっと舞はいなくなってしまっている。

どうしよう、どうしよう。

泣き出しそうなほどに焦りまくる。でも、もうそれさえもだるい。

どうしよう、どうしよう。

どうしよう、どうしよう。

ーメコンノマコイを抜けー