「りっ梨季?」
「ん~?」
抱きついたまま生返事をする。
「その…いい加減放してくんない??」
困った顔を梨季に向けて、
周りを気にしながら光輝が私に聞いてくる。
それもそのはず。
梨季の行動は生徒や先生にまで筒抜けで、
この学校の名物にされるくらいの勢いだ。
だから今だってみんなが梨季と光輝のことを見ている。
でもさー
別に周りの目とか気にしないし。
周りにどう思われようが自分がいいならいいじゃん。
って思ってんのは梨季だけで、
光輝は周りの人を気にするタイプ。
困ってる光輝見てんのも楽しいからこのまんまにしてやろうかと思ったけど、
あんまやって怒られんのも嫌だし渋々離れる。

