「…そんなことが…あったの??」 「うん、もうあたし何も考えられなくなっちゃってさ」 だめだ、あたし笑えない。 笑おうとしても、もう誤魔化せない。 「歩実、無理して笑わなくていいよ。今回のことは、忘れようよ。きっと次は、いい恋ができる」 梨奈の言葉はあたしの心を温めてくれる。 何にも考えられなかったのが、少し大丈夫になった。 「そうだよね…あたし忘れる。あんなバカ、どうせクラス違うし」 関わらなければ忘れられる。