おそらく、数の多い味方の勝ちだろう。
短く鳴った最初の銃声、続いてかなり多く打ち込まれた銃声。そして沈黙。



単独の敵は、死んだと僕は考えた。



「……元気だね」



独り言をもらし、僕はまた動きだした。



他人事ではないのだ。
自分にそんな状況が降り掛かる可能性は十分すぎるほどにある。



すべては運命に従うまでだ。
少なくても、僕はそう思っている。






しばらくして、ビルの間に不思議な建物が見えてきた。



煙突のように高い長四角の建物。
かなり高いところに窓もある。



見た感じ、一本道の階段、もしくはエレベータであの部屋まで行くことが出来そうだ。



僕は冷静に判断し、その建造物に近づくことにした。影に隠れながら、音を立てず、ゆっくりとだ。



うまいぐわいに建物の下までたどり着いた。だが、まだ別のビルの影から出ず、まずは入り口を見る。



入り口の前にはヘルメットが落ちていて、それには血がついている。
ヘルメットは僕と同じ種類、友軍のものだ。