は〜あ…
お風呂でも入ろうかな。

そう思って部屋をでた時、

「ちっがーう!!!」

ビクッ

思わずその大声にビクついてしまう。
廊下の先にある部屋からとてつもなく
大きな房ばあの声が聞こえたのだった。

「房ばあ??」

房ばあが大声をあげるなんてあたし以外に
なかったから不思議に思って
部屋にそーっと近づく。

「何度言ったらわかるんですか!!!
それは90度です!お辞儀は30度!!」

部屋を覗くとそこには房ばあともう一人、
あのオレンジ野郎がお辞儀の練習を
していたのだった。

「見ていなさい。」

そう言って房ばあのしたお辞儀は
とてもきれいだった。

「はい、魁人くんも一緒に」

「はい…」

だめ。あんなんだったら房ばあ許して
くれないよ。

「だめです!!」

ほらね。房ばあは新人の教育担当。
礼儀作法にはすっごくうるさいのだ。
あたしはもちろんのこと、あのはげ(父親)
までこっぴどくしかられたそうなのだから。