そうやって頭をボリボリ
掻きながら考えていると

「ねえ、オレンジ!!」

あの、女の声がした。

「な…なんでしょうか、杏里様」


あいつわやっぱりね
と小声で呟きため息を
つきながら言った。

「杏里。」

「え?」

「だーかーらーあたしの事
杏里って以外呼ばないで
っていってんの!!」

あの短い一言でこの
長い文をどうわかれと
言うのだろうか。

「え、いや、でも…その…」

慌てふためく俺に
あのわがままお嬢様は
こう付け足す。

「オレンジ、あんたって
そんな見た目なのに
意外にはっきりしないのね」

ふっ、と笑ってあいつは言う