「倉本先輩!」





振り向くと、三人の二年生らしき女子が俺の顔を見る。





「ジャージ下さい」
「クラスバッチ下さい」
「できたら、第二ボタン下さい」





一人なんかおかしかったぞ?

まぁいいや、もらってくれるなら。





「とりあえず、クラスバッチはなくしたんだ。 ジャージは今言われて思い出した! 教室のロッカーに入れっぱなしだから、取りに行ってくるよ。 ちょっと待ってよ? 大丈夫?」





何気に大きい声とともに元気よく返事でうなずかれ、急いで教室に行った。
またあとで来るだろうがガランとした教室を見るのは寂しく感じた。