あれから10年後、世界はすっかり変わっていた。

街中に溢れていた乗用車がぐっと減り、代わりに10年前よりさらに進化したモビルブーツが普通に公道を走っている。

研究所の連中は野望を叶えたのだ。

今では世界中の都市でモビルブーツは使用されていて、もはや珍しい物ではなくなった。

世界中で50社を越えるメーカーがモビルブーツを製造販売していて、その全てから特許使用料が入る。

それはもうウハウハどころの騒ぎではない。