「じゃあ具体的に制作に向けて考えてみよう。華、保安部品の他に何かいるかな?」

ドクターが少しやる気を見せ話を振ると、華は待ってましたとばかりにまくしたてた。

「兎にも角にも安全性が必要よ。ちょっと国道を走るのがイチイチ命賭けなんてナンセンスだわ。せめて自動車ぐらいの安全性がほしいわ」

「でも華さん。それだと巨大になりすぎませんか?原付だってむき出しの体で走ってますよ」

3人ともがそれぞれにイメージがあり、それがバラバラな為コンセプトがまとまらない。

「まあ、とりあえず試作機なんだから必要最小限にしようじゃないか」

華とヒロシの視線がドクターに向けられる。半ば睨むように華がドクターに問いかける。

「それは安全性は二の次ってこと?」

「そうじゃなく、まず形が決まらなきゃ危険を考慮出来ないってことさ」