必死の思いで交差点をまがり、脇道に入って少しの所で止まり、車道と歩道を分ける縁石にへたり込んだ。

遅れてやって来た更なる恐怖に腰が抜けて動けない。

しばらくそうしていると、遠くからサイレンの音が近づいてくるのが聞こえた。

(救急車?いえ、パトカーだわ。何かあったのかしら)

パトカーは先ほどの国道を、デパート方面からこちらへ向かっているようだ。

ボンヤリ華が首を巡らすと、ちょうどパトカーは交差点をこちらへ曲がって来た。

そしてそのまま通り過ぎるかと思ったら、華の手前で路肩に寄せて停車し、運転席と助手席に乗っていた警察官二人が降りてきた。

(ひょっとしてってゆーか、明らかに私に用事って感じねぇ)